2024/03/06 18:02
たまには、古着や、古道具の話もしないと、本当に誰がこのブログ見るの?って感じなので、それっぽいことも。
いや、なんか、ちょこちょこ読んでるって人もいるみたいで、それはそれとして嬉しいですが。
表題のとおり、ユーロワークに関して。薀蓄のようなものをつらつらと書いてみようかなと。
正直、どれぐらいの文量になるか、すでに謎です。
ユーロワーク、つまりヨーロッパ全域が範囲となるワークウェアのカテゴリー名。めっちゃ広いですよね。店主も、毎回いろいろと新しい発見があります。
そんななかでも、巷で人気のあるのはブリティッシュ、フレンチ、ジャーマンあたりでしょうか。イギリス、フランス、ドイツ。ですね。
それぞれのよく言われる特徴をば。
ブリティッシュはテーラーの文化もありつつ、産業革命云々かんぬんで色々とシュッとした感じのが多いです。古いレイルロードジャケットなんかを見るとよくわかりますが、体型に沿った無駄のないつくりに、ラペル仕様のワークジャケット。コットンドリルの生地なんかが使われてたりしますかね。チェンジボタンやメタルボタンなど、部材も耐久性を考えられたものが多く使用されている印象です。ほかにも、インクブルーの生地に赤い閂が施されていたりする、洒落た感じも。ほかにも、ミルクマンジャケットなんかにもあるような袖口とラペルがツートーンになってるものなんかも洒落てますかね。
フレンチはいまや飛ぶ鳥を落とす勢いで人気が上がってますね。フレンチモールスキンなんかは最たる例かと思いますが、あのなんともいえないステッチ部分の縮みや、ぬめっとした光沢が印象的です。つくりとしては丸い襟、ラウンドカラーに袖口にカフスが付くものが多いですかね。印象としては、なんだか少し袖が短め。身幅たっぷりという感じです。結構アームホールは狭かったりしますね。フランス人はそんな感じの体型なんですかね。フランス人の友人がいる方は教えてください。モールスキン以外だとコットンツイルの生地が多いかなと。ちなみに、ブランドタグが洒落たものも多いです。はっきり言って外からは見えないので、自己満足ですが、集めたくなる気持ちもわかります。
ジャーマンは質実剛健というか、ちょっとアメリカンワークに通ずるものがある気がします。生地はコットンツイルや、ヘリンボーン、モールスキン、さらにはエレファントスキンなんて呼ばれるモールスキンの中でもめちゃくちゃ硬い生地なんかも使ってますね。幅広い。ドイツに行ったことがないので実際はわかりませんが、いろんな気候、現場に対処できるようにいろんな種類の生地で作っていたのかなと。ヘリンボーンなんかはコットン系の生地の中でも薄いものが多いので、暑い場所でもそれなりに快適に使えますし、重機を使う場所ではエレファントスキンのような堅牢な生地がもしもの時のケガを最小限にしてくれるかも。見た目の部分では襟は角ばった襟。袖口はカフスがない、筒状のままの物が多い印象。結構、企業カラーなんかのオーダーが多いのか、それに準じたものも出てくるので、奇抜なカラーリングのもあったり。
番外編その① イタリア。通称、イタリアンカラーなんて呼ばれるちょっと小さめの襟の物が多いですね。そして、なんだか生地がどんなコットン系の生地でも薄い印象があります。というのも、イタリアはあまりお金がない国らしく、軍の装備も結構ぺらぺらだったりします。倹約家の国ともいわれてたりするので、その辺も関係あるかなと。ただ、時折、やたら豪華な仕様のやつや、ちょっとそのデザイン、どうなってるんですか?みたいな、変わり種が多くておもしろいのもイタリアだったりします。
番外編その② 北欧圏。デンマークやスウェーデンなどの北欧圏のワークウェアは近年物になればなるほど顕著ですが、めちゃくちゃハイテクな感じがします。生地だけでなく、部材がとにかくしっかりしたものを使ってます。ジップとか、壊れることありますかね?ぐらいのレベルの物が普通にワークウェアについてたり。仕事、というものにホワイカラー、ブルーカラーのような区分けで分別をつけない、という文化も関係しているでしょう。
番外編その③ 東欧圏。共産圏であり、社会主義時代の影響ももろにあった地域。そのため、とにかく質素なもの、簡素なものが目立ちます。東欧圏の中綿ワークジャケットなんかがとてもいい例で、日本の布団のような綿が入った、それこそ布団のような生地が裏地にあてがわれたまさに支給品といった様相。そこにまた愛着が出たりもしますが。あと、なんだかボタンがちょっと凝った意匠なのに、色味や、素材が安っぽい感じのが使われている印象も。金メッキみたいなボタンとかよくついてます。鳥かなんかの形した。それを全部取り替えて着ている人もいるのでは?全体的に、生地もがさついたものが多いかなと。ただ、その粗野な感じがいい塩梅だったりもして、結構コレクターさんはいるかと。
もちろん、ほかにもヨーロッパにはいろんな国がたくさん。そして、例外もたくさん。まさに星の数ほどワークウェアブランドはあったかと思いますし、企業や工場も盛りだくさん。きりがないですね。ただ、こんな感じの特徴のが多いね~って感じです。
さて、これで終わりでもいいんですが、最後にお客さんからよく聞かれる事案。
「どうやって年代や、国を見分けてますか?」
この質問。とっても多くて、ユーロワークはさっきも言った通り、星の数ほど数多あるので、見分けるのは、初見さんでは辛すぎます。
さらには、専門としている人は、そんなやついるんか?レベルでいないので、アメリカのデニムなんかのように体系だった情報も何気になくて、乱立しているだけだったりします。
上に書いたような特徴なんかが、割と判断材料になることもあります。あとは、タグが残っていると、結構近づきますね~何語で書かれているのかで、おおよその地域が絞り込めますので。とはいえ、鵜吞みにすることはできないんですがね…
国はこんな感じで結構絞り込みができます。ただ、タグがない場合は?形も上に書いてあることが複合的だ…とかなると、頭が痛いですね。そうなると、あとは今までの「経験」になってきてしまうんですね(笑)
ちなみに、店主はぱっと見で、国と年代はおおよそ判別がつくようになりました。実物触れば、さらに確信に近づきますが。ただ、これは、年間に何万枚のユーロワークの個体を見て、触って、着て、食べ…ないで、培ってきたものなので、お店をやろうと思っている人以外はマネしなくて大丈夫です(笑)
特に触るというのがかなり大事なので、それで結構判別したりも。国と年代で染料の違いから色抜けの仕方が違ったり、生地感も異なるので、その辺から割り出す、みたいな感じです。もう一度言います。良い子はマネしないでください。時間の無駄です←
最後はなんだか自慢みたいな感じに聞こえるかもですが、全然そんなことではないと思います。なぜなら、それができても酒の席のネタにもならないからです。おそらく、女子の皆さんからは総スカンされます。下手打つと…これ以上は言いません。
ここまで長々とお付き合いいただきましたが、ひとまず、ユーロワークの蘊蓄第一弾はこれにて終了としようと思います。まだまだ色々あるのですが、それこそ一気に話すと女子のみなさんだけでなく、全人類から総スカン受けてしまうかもしれないので、それだけは避けたいので。これにて閉幕です。
ちなみに、今シーズンのスノボも蘊蓄書いてる今日で閉幕しました。雪少なかったなぁ。シーズン券、元取れなかったなぁ…
こじま